卵白
梁の頃のことである。沐浴(もくよく)の時に、いつも卵白で髪を洗っている人がいた。
「卵白で髪を洗うと、艶がよくなる」
とのことで、沐浴のたびに二、三十個もの鶏卵を使っていた。
その人が息を引き取る時、髪の中から奇妙な音が聞こえた。まるで数千羽の雛がさえずっているような音であった。
(六朝『冤魂志』)
- 作者: 話梅子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/24
- メディア: 文庫
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梁の頃のことである。沐浴(もくよく)の時に、いつも卵白で髪を洗っている人がいた。
「卵白で髪を洗うと、艶がよくなる」
とのことで、沐浴のたびに二、三十個もの鶏卵を使っていた。
その人が息を引き取る時、髪の中から奇妙な音が聞こえた。まるで数千羽の雛がさえずっているような音であった。
(六朝『冤魂志』)