2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

韜光

長安の青龍寺の僧侶、和衆(わしゅう)と韜光(とうこう)は親しくしていた。韜光は富平(ふへい、陝西省)の出身で、里帰りをすることになり、和衆に言った。 「私は何か月か家におりますので、近くまでいらした時にはお立ち寄り下さい」 「ええ、是非、そ…

閙房

婚礼の夜、親戚や友人が新婚夫婦の寝室に集まって騒ぐ。夫婦をひやかして深夜まで騒ぐのだが、ひどい時には明け方まで騒いで、新婚夫婦を二人きりにさせないこともある。これを「閙房(どうぼう)」という。江蘇、浙江地域で広く行われ、嶺南(れいなん、広…

白老

侍御史(じぎょし)の盧樞(ろすう)がしてくれた話である。 親戚に建州刺史となった人がいた。ある夜、あまりの暑さに寝つかれず、庭に下りて月でも眺めることにした。寝室を出たところで、西の階の下から人の笑い声が聞こえてきた。 そっと忍び足で近づい…

早産

ある妊婦、まだ七か月だというのに突然産気づいて、そのまま子供を産み落とした。夫は子供が未熟児なので、育たないのではないかと非常に心配し、人に会うごとに未熟児が育つかどうか問いかけた。 ある日、友人と話しているうちに話題が子供のことに及んだ。…

朱子之の家の幽鬼

東陽郡(浙江省)の朱子之(しゅしし)の家にはいつも幽鬼が現われた。別に悪さをすることもなかったので、家族は普通の人間と同じように接していた。 朱子之の息子が胸の病を患い、たいそう苦しんだ。幽鬼が言った。 「虎の睾丸を焼いて飲ませれば、すぐに…