2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

石氏の娘が尤郎(ゆうろう)に嫁いだ。夫婦の情愛はいたって睦まじかった。 尤郎が遠方へ行商に出ることになった。石氏は懸命に行かせまいとしたのだが、尤郎は聞き入れなかった。いつまで経っても尤郎は戻ってこず、夫への思いを募らせた石氏は病に臥す身と…

美貌の女師匠

明の成化(せいか)十三年(1477)七月十三日の夕暮れのことである。真定府(河北省)晋州(しんしゅう)聶村(じょうそん)の秀才高宣(こうせん)の家の門を一人の女が叩いた。女はすらりと背が高く、美貌であった。女は、 「趙州(河北省)の張林の妾です…

名犬的尾

晋の太興(たいこう)二年(319)のことである。 呉地方の華隆(かりゅう)という人は猟を好んだ。一匹の猟犬を飼っており、的尾(てきび)と名付けて常に猟に連れて行った。 その日、華隆は舟で揚子江の岸辺に葦(あし)を刈りに行った。華隆は舟に従者を残…