呼ぶ声
元嘉九年(424〜453)のことである。
南陽(なんよう、河南省)の楽遐(がくか)という人が部屋で坐っていると、突然、空中から夫婦の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
不思議な声は真夜中まで続いて、ようやくやんだ。楽遐は驚きとともにおそれを抱いた。
数日後、楽遐の妻が家の裏に出て戻ると、衣服が血まみれになっていた。
一月も経たないうちに、夫婦は相次いで病死した。
(六朝『幽明録』)
- 作者: 話梅子
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