王なにがしの居室はいつも掃き清められ、趣味のよい調度が並んでいた。枕元には一幅の美人画がかけられていたが、これが見事な出来ばえで、今にも画中から美女が抜け出してきそうであった。 王が外出した晩、妻が一人で灯りに向かっていると、帳の紐の影が画…
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